課業(幼児クラス)
子どもたちの経験を整理し、豊かにするために行っているものを課業と呼んでいます。
わらべうた
幼児になると、子ども同士で輪になったり、列になったり、二人組になったりしながら遊ぶようになります。
うたの拍に合わせて歩くこと、うたのタイミングに合わせてしゃがんだり、くぐったりすることが遊びの中で要求され、子ども同士が共感しながら音楽を楽しむことが出来ます。
その中で、音楽的な音の大小・早い遅い・リズム・音色・などを理解していけるように計画しています。
体育
幼児期の体育は、技術的なことを教えたり特訓したりすることではなく、子どもの自然な動きを基本に運動発達を促すこと、ルールに沿って自己コントロール出来ること、健康維持を目的に行っています。
体育の内容は、クラスの子ども達の発達を考慮しながら組み立てており、身体のゆがみを調整し健康を保つために行う基本体操、這う、支える、投げる、くぐる、またぐなどの動作を組み合わせた体操、ルールのある遊びなどを組み合わせて行っています。
*日々の生活の中で短めに行う体操と週に1回程度30分くらいで行う体操があります。
近年、姿勢を維持できない子どもが増えて来ました。
その背景には体を動かす遊びが少なく、体幹がしっかりしていないことが関係しています。そのためしゃがめない、転んだときに手が出ない、出ても顔を打つ、また、砂が飛んできても目を閉じられない子も増えています。
丈夫で力強い足腰は、“ハイハイ” のように低い姿勢の運動をたっぷり行うことにより作られます。急いで立たせてしまうと将来必要なからだの構造が育たないままになってしまいます。赤ちゃんの頃に十分でなかったとしても、幼児期の今、必要な運動をしっかりとやり直しておくことで、丈夫な足腰を持つ健康で力強いこどもに育ちます。
【方法】
からだがバランスよく成長する基本の4つの体操(金魚・ブルブル・カエル・フリコ)をはじめ、年齢にあったそれぞれの時期に絶対に必要な運動を盛り込んだプログラムを組んでいます。
【道具】
短縄・長縄・輪リボン・つぶとん・ボール・フープ・ベンチ・マット等の道具を使って行います。
文学
母国語を大切にし、楽しいから何度も聞きたい、話したい気持ちを大事にして、詩、ことば遊び、ごろ合わせ、絵本、素話、ペープサート、人形劇を課業として計画します。
それにより、大人の声を通して物語と一緒に様々な良いものが、子どもの心に伝わります。
豊かな言葉を身につけ、話を聞く力を養い、空想力、想像力を育て、ものを見る力をもった心豊かな子どもを育てます。
美術
美術活動は、描画(クレヨン・色鉛筆・ペン・絵の具・墨・コラージュ・フロッタージュなどで描く)・手仕事(工作・染物・編む・織るなど)に分けられます。
描画では、様々な素材で描いたり、自分の感じた事を描いたりできるように配慮しています。
手仕事では、道具の使い方や手先をたくさん使った活動を取り入れています。
道具を使うものや、細かな作業のものは、少人数で行うようにしています。
少人数で行う事により、大人が一人一人の作業を見守ることができ、子ども自身も作業に集中することが出来ます。
美術活動の中で、素材の感触を味わう、色を楽しむ、作る事の喜びを感じられるような成功体験が出来るように、課題選びをしています。
子ども達の作品は、比べるように並べて掲示するようなことは避け、数人ずつクラスに飾る様にしています。
数
数学には二つの顔があります。第一の顔は、違いを見つけたり、予想をする創造的な顔。第二の顔は記号やルールを覚える学習的な顔です。
第一の顔に最初に出会った人は、数の世界をゆかいで身近に感じられるようになります。
幼児期には、そのような世界を楽しむことが大切であると考え〝数あそび″として行っています。遊びの内容は、間違い探し・重さを測る・長さ比べ・線対称を作るなど。
様々な材料を用意し、動かしたり試したりする中で、数の世界を楽しみながら感じてほしいと思っています。
そのような経験が、やがて第二の顔と出会う架け橋になる経験が出来るように計画しています。
環境認識
子ども達が、生活する環境の中で出会う様々な事について、認識が深まるよう行っています。
テーマとしては、身近なところでは、家族・保育園・住んでいる町・交通。
自然をテーマにする動植物・虫・天候などがあげられます。
日々の生活の中で、出会っているものをテーマにし、継続的に観察したり、写真や絵などを使って経験したことを整理して話し合ったり、テーマについて認識が深まるように実験をしたり、テーマについて子ども達が新しい発見が出来るような活動を、計画しています。知識を教え込むのではなく、体験を通して感じる事を、大切にしています。その体験が、更に周りの環境に興味を持つことや、疑問に思った事を調べたり、話合ったり出来る事につながる事を目的に行っています。